はじめての『ソウルシリーズ』

記事作成時のプレイ環境:『デモンズソウル』ver.1.004(PS5)、『ダークソウル』ver.1.03(PS4)、『ダークソウル3』ver.1.03(PS4)

『ソウルシリーズ』はフロム・ソフトウェアが開発した、「ソウルライク」と呼ばれるゲームジャンルの元になった作品です。

  • 『デモンズソウル』(2009年)
  • 『ダークソウル』(2011年)
  • 『ダークソウル2』(2014年)
  • 『ダークソウル3』(2016年)

『デモンズソウル』と『ダークソウル』シリーズは、システムは同じですが世界観は共有していません。
ですので、『ダークソウル』シリーズをやる前に前作の『デモンズソウル』をやらないと、ということはありません。

『ソウルシリーズ』の特徴

『ソウルシリーズ』はどれも、ハイファンタジーの世界を舞台としています。

シリーズすべてに共通して言えることは、世界観にしてもキャラクターにしても、具体的な説明はほとんどないということです。

世界が今どんな状況にあるのか、どんな歴史があったのか、相反する思想や独自の宗教概念はどうやって生まれたのか。
長い長い歴史があったであろうことはわかっても、その詳細までを知ることはできません。

プレーヤーは少ない情報を元に想像を重ねることで、世界に深みが増していくのです。

明確な目的がない

どのシリーズにも複数の地域がありますが、拠点となる場所以外は、どこも亡者が徘徊する荒廃した世界となっています。
プレーヤーはそんな世界に唐突に放り出された状態でゲームが始まるため、これといって目的がありません。

使命はあるにはあるのですが、なんのためにそうするのか、それが正しいことなのか。よくわからないまま冒険を始めることになります。

各地域のボスを倒すというのも、あくまでゲームの進行上として必要なだけで、プレーヤー自身の目的ではありません。

マップがない

マップがある地域はひとつもありません。ミニマップもありません。

右と左に道が分かれていたら、どっちにも行けます。
つき当たったら引き返せばいいし、ボスがいるなら倒せばいいし、敵が強いなら別の道に行けばいいのです。

マップがなくても、主に2つの理由で自然と覚えられるようになります。

1つめの理由は、ショートカットの開通です。
仕掛けがあって開かない扉も、反対側に到達したときに「こことここが繋がってた!」という発見から頭の中のマップが広がっていきます。

そしてもう1つの理由は、その道を何度も往復することになるからです。

死んで覚える

このシリーズが「高難易度」「死にゲー」と呼ばれるのは、それだけ何度も死ぬからです。

高低差の大きい地形を移動することになるので、敵に殺されるのと同じくらい落下死も多くの死因となります。

各地域には休息ポイントがあるので、死んだ場合はそこからやり直しです。

やり直すのはプレーヤーだけではありません。倒した敵も元いた場所に復活します。
敵の配置は決まった場所に固定されているため、繰り返しの往復で敵の配置とマップが頭に入るのです。

そうまでしてプレーヤーが繰り返すのは、死んでも死にきれない理由があるからです。
経験値とお金が、死んだ場所に取り残されているのです。

経験値と通貨を兼ねる「ソウル」

シリーズタイトルにもあるように、ソウルと呼ばれるものがあります。

プレーヤーにとってソウルとは、経験値であり、お金です。
敵やボスを倒したり、アイテムを使うことで得られるソウルは、経験値を上げるために使うこともあれば、アイテムを買うための通貨として使うこともあります。

プレーヤーが死ぬと、死んだ場所にソウルが取り残されます。
もう一度そこへ行けば取り戻せますが、その途中で死んでしまうと取り戻すことはできません。

ソウルの量が多ければ多いほど、取り戻さずにはいられない。それが人間の性なのです。

NPCは一度しか名乗らない

亡者ばかりの殺伐とした世界にも、多くはありませんが会話が可能なNPC達がいます。

商人や鍛冶屋というプレーヤーを助けてくれる人もいれば、NPC自身の目的のために協力してくれたり、協力を求めてくる人もいます。

NPCが名乗るのは一度きりです。話しかけるたびに自己紹介なんてしてくれません。
初対面では警戒して名乗ってくれない人もいます。また、プレーヤーを「貴公」という二人称で呼ぶNPCが多いのも特徴的です。

どのNPCもプレーヤーとは違う理由でその場所にいるので、広い世界でたまたま出会った会話ができる人という認識です。
“目的を同じくする仲間”ではないのです。

そのためNPCとの関係はプレーヤー次第で、会話の選択肢によっては敵対関係になります。
攻撃すれば当然、敵対心があるとみなされます。

フレーバーテキストで想像させる物語

アイテムは買ったり、落ちているものを拾ったり、敵からドロップしたりすることで手に入れることができます。

アイテムのひとつひとつに、断片的な短い文章で説明が書かれています。

「このアイテムがこの場所にあるということは……」と意味を考えてみたり、それ単体、もしくは他のアイテム説明と合わせて読むことで、「こんな物語があったんじゃないか」と想像が膨らみます。

装備品に関してはそれが顕著で、中にはNPCを殺すことでしか手に入らないものもあります。

ただし、選択肢や行動の結果には常に責任が伴うということを忘れてはいけません。
セーブデータにはきっちり記録されているからです。

やり直しのきかないオートセーブ

ゲーム開始時に作成したセーブデータは複製できません。オートセーブを切ることもできません。
時間ごとにデータが分けられることもなく、プレーヤーの行動はひとつのデータに上書きされていきます。

例えばNPCが死んでしまったり、殺した場合、そのNPCは死んだものとしてデータに保存されるので、プレーヤーとの関係はそこで終わりです。
イベントが用意されているNPCが途中で死んでしまったら、その先のイベントを見ることはできません。

どうすることもできないので、次の周回で挽回しましょう。

周回が早い

ゲームをクリアした時点で、自動的に次の周回に移行します。
周回するごとに敵も強くなっていきますが、NPCとの関係もすべてリセットされています。

レベルやアイテムを引き継いだまま、何事もなかったようにキャラクターは目を覚まし、繰り返すのです。

もう一度目を覚ましたキャラクターは、ラスボスまで一気に駆け抜けることができるくらいのプレーヤースキルと、記憶された全体マップを手に入れていることでしょう。

何ができるの?

どのシリーズも、ゲームを開始するとオンライン・オフラインのどちらかを選択することになります。
タイトル画面に戻ればいつでも変更はできます。

おおまかにですが、オンラインとオフラインの違いについて説明します。
(シリーズで若干の違いがあるため、ここでは『ダークソウル』シリーズを例としています)

まず、オンライン・オフラインに関わらず、ゲームの途中で死んだプレーヤーは「亡者」などと呼ばれる、生者ではない状態になります。
ボスを倒すか、アイテムを使うことで生者に戻ることはできますが、このアイテムは手に入りにくいものです。

また、生者でいること自体にメリットとデメリットがあります。

生者のメリット

  • ステータスが上がる
  • プレーヤーが召喚すれば、NPCが共闘してくれる(条件あり)
  • プレーヤーが召喚すれば、そのエリアの道中〜ボスを倒すまで、他プレーヤーが協力してくれる(オンラインのみ)

生者のデメリット

  • NPCがそのエリアに侵入してきて、プレーヤーを殺しに来る
  • 他プレーヤーがそのエリアに侵入してきて、プレーヤーを殺しに来る(オンラインのみ)

オンライン・オフラインの違いはここで、他プレーヤーに協力を求めたい場合は、オンラインでプレイする必要があります。
その代わり、他プレーヤーに侵入されれば対人戦にもなります。

プレーヤーが召喚して協力を求めた他プレーヤー・NPCは「白霊」と呼ばれていて、ホストであるプレーヤーと一緒にボスを倒すことを目的としています。

侵入してきた他プレーヤー・NPCは「闇霊」と呼ばれていて、ホストであるプレーヤーを殺すことを目的としています。

「白霊」も「闇霊」も、召喚・侵入できるのはボスを倒していないエリアに限定されます。
つまり、ボスを倒していないエリアを生者でうろうろしているだけで、「闇霊」に侵入される可能性があるのです。

生者ではない「亡者」状態であれば「闇霊」に侵入されることはありませんが、「白霊」を召喚することもできません。

一人で冒険したい場合や、NPCは召喚したいけど他プレーヤーに侵入されたくないという場合は、常時オフライン設定でプレイしましょう。

もちろん、オンラインでプレイすれば、プレーヤー自身が「白霊」として他プレーヤーを助けることも、「闇霊」として他プレーヤーの世界に侵入することも可能になります。